パッヘルベル『カノン』の意味。人気が高い理由も考察

  • はてなブックマーク
  • 人気ブログランキング
パッヘルベルのカノンとして有名なこの曲は、
「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲です。

ドイツの作曲家、
ヨハン・パッヘルベルが1680年ごろに作曲しました。
パッヘルベルってベルの名前ではないですよ。
彼が作った音楽はたくさんありますが、この曲が唯一有名になっています。


カノンが1曲目でジークという曲がもう1曲あって、
カノンとジークで1組になっているというのはあまり知られてないことですね。
ジークの方は聞いたことありませんでした。

カノンの方はいろんな場面でいろんなジャンルの音楽でも編曲され、BGMなどでもよく聴きます。

カノンの意味とは、
また曲に込められた想いなど、解説していきます。

スポンサードリンク


●カノンの意味

カノンとは、音楽では
輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、
またはその様式の曲
のことです。

輪唱と同じではなく、
違ったメロディーで始まっていたり、リズムが2倍になったり、
上下や左右が逆になったようなものも含んでカノンと呼ばれています。



曲の特徴

パッヘルベルのカノンは最も有名なカノン様式の曲で、
3つのヴァイオリンが全く同じメロディーを演奏し、それに伴奏がついたものです。
最後は同時に終わるので、一部カットされるパートがあります。


ほとんど輪唱になっているのです。
輪唱なので、伴奏の方も同じコード進行が繰り返されます。

単純といえば単純ですが、これが耳にも快く響くということで、
何度聴いても飽きず、また聴きたくなるような魅力のある曲になるのです。


他の音楽にもこの曲の方式などが影響を与えていて、
現代でも多くの作曲家が愛用しているのです。

ビートルズの「レット・イット・ビー」はこのコード進行の曲で有名です。


スポンサードリンク


●音楽的な解説


ヴァイオリンの輪唱

輪唱といえば「かえるのうたが、きこえてくるよ…」歌いましたよね。
パッヘルベルのカノンも同じように
3つのヴァイオリンが輪唱しています。

音楽を聴くだけではカエルの歌のように輪唱になっていることはわからないですね。
私はピアノの楽譜しか見たことがなかったので、
初めはピアノの楽譜でも全然輪唱っぽくないのでわかりませんでした。


3つのヴァイオリンが2小節ずつずれて同じメロディーを重ねて演奏してきれいな和音になったり、
変奏曲になったりしていきます。

伴奏というかベース音はずっと同じパターンの繰り返しをしていて、
レーラーシーファ♯ーソーレーソーラ、
これを28回繰り返します。





コード進行の魅力

全体的には長調の曲ですが、
間に短調が3つあります。

コードにすると
D-A-Bm-F♯m-G-D-Em/G-A
となります。

コードで見るとm(マイナー)がつくので分かると思います。
このmが短調の音になります。


このベースで28パターンのメロディーを変奏しているってことですね。
その変奏曲を3つずらして重ねているだけだけど、
重なった音が汚くなったり、濁ったりすることがないのです。


そんな単純なパターンで、あんな大昔から現代にいたるまで、たくさんの人が参考にするほどの曲になったってことですよね。すごいです。

ただ、単にパターン化されたメロディーを3つずらして重ねた、だけでなく、
巧妙に考えつくされ、響きや、和音などもきっちり3つが重なって、
演奏されることを計算つくされた上の曲なのです。


スポンサードリンク


●曲に秘められた背景・想いの解説

バロック時代の曲なのですが、音楽の父と呼ばれるバッハが有名ですが、
そのバッハよりもパッヘルベルは先輩になります。

バッハのお父さんとも交流があり、バッハの14歳上のお兄さんに
パッヘルベルが音楽を教えていたということです。


作曲家であり、音楽教師でもあったパッヘルベルですが、
当時は
オルガン奏者として名声を得ていました。


オルガンは主に教会で演奏されていた宗教関係のイメージが強いですね。


パッヘルベルがカノンを作ったのはこの曲だけで、
あとはオルガン曲や室内音楽などを書いていたのです。
でも、他の曲は全然有名になっていませんね。



「カノン」が有名な理由とは?

カノンだけが飛びぬけて有名です。
なぜでしょう。
そして、カノンといえば他の有名な作曲家もそれぞれカノンを作曲されていますが、
パッヘルベルのカノンほど有名なカノンって、ないですね。
なぜでしょうか?



その理由として、
・複雑な曲ではなく、極めてシンプルなこと。
・調和のとれた音の宇宙がある。
などを挙げられます。

音楽自体が作曲家を超えて、自立しているということです。



長調と短調の混じり

魅力といえば、長調の曲ですが、
短調の音が混ざっていることも良いバランスです。
短調の音から長調に戻ることで安心感につながるのです。

メロディーにもゆったりとして徐々に細かく動き、気持ちよく終わる、何か引き付ける魅力がありますね。
なぜ、人がこの曲に魅力を感じるのか、全部解明されたわけではないようですが、
祈りのような想いも込められているのでしょう。

人々の幸福への祈りはいつの時代も変わることなく続きます。
この曲はまるでそんな
祈りに近い感じで人の心に届くのだと思います。




●まとめ

「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲
パッヘルベルのカノンと呼ばれ、誰もが聞いたことのある有名な曲です。

カノンとは輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する曲のこと。
全く同じではなくてもカノンと呼ばれます。


パッヘルベルのカノンは全く同じメロディーを3つのヴァイオリンで演奏し、
伴奏をつけただけのシンプルな曲です。

単純なようですが、不思議に何度聴いても、もう一度聞きたくなるような、ずっと聴いていても飽きない魅力があります。


同じパターンの音のくり返しからメロディーを編曲していき、
3つが重なる部分もきれいに響きあいます。

単純なようで、全てが巧妙に計算されつくした曲なのです。


2小節にパターン化(明るい音8つの中に暗い音3つのパターン)された伴奏が
28回繰り返され、ゆったりしたメロディーから始まり徐々に盛り上がります。


同じようなパターンが現代の音楽などにも愛用されてきていることは有名な話です。
その原点ともいうべきカノンの全てが解明されたわけではないようですが、
人が幸福を祈るのと同じように、
普遍的な音楽の魅力がこの曲にあるのかもしれません。


スポンサードリンク


  • はてなブックマーク
  • 人気ブログランキング

コメントフォーム

名前

メールアドレス

URL

コメント

トラックバックURL: 

ページの先頭へ