モーツァルト「ピアノソナタ」解説。各楽章の特徴も紹介

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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは
3歳でチェンバロを弾き始め、5歳で、
作曲を始めた天才で、「神童」と呼ばれていました。

モーツァルトのピアノソナタは、
18曲
あります。

断片といわれ、一部だけが残る曲は
12曲あります。

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900曲以上もあるモーツァルトの曲からすると少し、
少ない気がしますが、
なぜ少ないかも含め、
ピアノソナタの解説をしていきたいと思います。




●音楽的な解説


楽曲の特徴

モーツァルトの曲は
ほとんどが長調で、
明るく、軽やかな曲が多い
です。

当時の音楽の流行だったとのことで、
ロココ様式、ギャラント様式と呼ばれます。


ピアノもまだ、確立されていないので、
今よりも鍵盤が、軽かったとされてます。



モーツァルトのピアノソナタの特徴として、
18曲すべて、3楽章形式で書かれています。

モーツァルトの個性を発揮した魅力が
たくさんあります。



作曲時期

ピアノソナタの最初の作曲は、
19歳の時の6曲です。

19歳までは、ピアノ(ソナタ)を弾いても即興で、
書きとめる必要を感じなかったからではないか
という説があります。

あるいは、所有していた人がなくした
可能性もあるようです。


また、時代背景として、
まだ、ピアノ自体が世に、あまり知られていない時代。

ピアノソナタは新しいジャンルだった
のです。


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「短調」が極端に少ない

そのピアノソナタもほとんどが長調で、
短調の曲はわずか2曲です。(断片には1曲)

途中の楽章で短調に転調する曲もわずか2曲ですね。

1、K.279 Ⅰ(楽章)ハ長調 Ⅱヘ長調 Ⅲハ長調
2、K.280 Ⅰヘ長調 Ⅱヘ短調 Ⅲヘ長調
3、K.281 Ⅰ変ロ長調 Ⅱ変ホ長調 Ⅲ変ロ長調
4、K.282 Ⅰ変ホ長調 Ⅱ変ロ長調 Ⅲ変ホ長調
5、K.283 Ⅰト長調 Ⅱハ長調 Ⅲト長調
6、K.284 Ⅰニ長調 Ⅱイ長調 Ⅲニ長調
7、K.309 Ⅰハ長調 Ⅱへ長調 Ⅲハ長調
8、K.310 Ⅰイ短調 Ⅱヘ長調 Ⅲイ短調
9、K.311 Ⅰニ長調 Ⅱト長調 Ⅲニ長調
10、K.330 Ⅰハ長調 Ⅱニ長調 Ⅲハ長調
11、K.331 Ⅰイ長調 Ⅱイ長調 Ⅲイ短調(トルコ行進曲)
12、K332 Ⅰヘ長調 Ⅱ変ロ長調 Ⅲヘ長調
13、K.333 Ⅰ変ロ長調 Ⅱ変ホ長調 Ⅲ変ロ長調
14、K.457 Ⅰハ短調 Ⅱ変ロ長調 Ⅲハ短調
15、K.545 Ⅰハ長調 Ⅱヘ長調 Ⅲハ長調
16、K.570 Ⅰ変ロ長調 Ⅱ変ホ長調 Ⅲ変ロ長調
17、K.576 Ⅰニ長調 Ⅱイ長調 Ⅲニ長調
18、K.533&494 Ⅰヘ長調 Ⅱ変ロ長調 Ⅲヘ長調

こうして比べてみると、パターンが見えてきます。


中でも
異例なのが、K.331のトルコ行進曲付きですね。

当時このトルコ風も流行していたので取り入れた
とのことです。


サビの部分は長調に変わっています。
イ長調ですね。

ソナタ形式から少し違っているようで、
変奏曲の形式でⅠ、
メヌエットのⅡ、Ⅲがロンド形式になっています。


ベートーベン作曲のトルコ行進曲もありますが、
どっちかというとモーツァルトの曲の方が有名で、
ピアノでは
モーツァルトの方がダントツによく演奏されています。




●モーツァルトと曲に秘められた背景


貧しい生活が続いた

当時、音楽家といっても、
報酬は低く、各地を旅行して、音楽活動しながら、
モーツァルトは成長していきました。

イタリヤなど外国で音楽の勉強もしていきました。


モーツァルト自身の手紙に

「ヨーロッパ中をまわって、
小さな男の子だったころから、
特別な才能の持ち主だといわれてきました。」

「長年にわたって、
作曲に長い時間と膨大な思考を注いできました。」

「有名な巨匠の作品は全て念入りに研究しました。」

「作曲家であることは、
何時間にも及ぶ努力を意味するのです。」
(死去する3年前)

天才、神童といわれ、
努力なしに作曲ができるように言われたり、
思われたりすることもあったと思います。
(現在でもそうですね。)


実際に、他の音楽家(宮廷楽団の貴族)たちからは、
裏で、モーツァルトの演奏会を妨害されたことがあります。

そんなこともあり、
なかなか高額な報酬を得られませんでした。
また、浪費家でもあったとか。


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ピアノソナタの背景

1777年、モーツァルトは故郷を出て、
母とパリに向かいますが、なかなか仕事が決まらず、
次の年、
急に母が他界してしまいます。

その頃の作曲といわれているのが、
第8番K310イ短調です。

母を亡くした悲しみが反映されている
といわれています。


普段は明るい性格で、
冗談好きでもあったモーツァルトが、

この時ばかりは
悲しさのあまり短調の曲を作曲した
というのが私の推察です。



意外にも、おふざけ好きな明るい性格

お母さん譲りの
冗談好きな一面もありました。

モーツァルトの手紙には、
冗談(というよりおふざけ)がチラホラ…。

小さい子どもが言うように
「う○こ」などを連発しています。


基本的にモーツァルトは、
長調が合う、明るい人だった
のでしょうね。

モーツァルトは、ショパン(39歳没)よりも短い
35歳で亡くなっています。




●まとめ

明るい性格のモーツァルト、
ピアノソナタはほとんどが明るい長調の曲
です。

小さいころからヨーロッパ各地を回り、
音楽の勉強や、演奏旅行をして育ちました。


天才、神童といわれながらも、
なかなか仕事がうまくいかないことも多かった
のです。

家族の死や、他の音楽家からの妨害など、つらいこともある中、
生涯で900曲以上のいろいろな曲を作曲。


ピアノソナタは少し少ないですが、
18曲残っています。

19歳で作曲した曲が初めてのピアノソナタで、
モーツァルトの母が亡くなったことで、
初めて短調のピアノソナタを作曲した

とされる曲です。

ピアノは当時、まだ新しいジャンルだったのでしょう。


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