ベートーベン『第九』を解説。歓喜の歌の意味など

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子どもから大人まで、
クラシックにあまり関心のない人でも
ベートーベンの「第九」「よろこびの歌」といえば
知らない人はいないですよね。

日本では年末の曲というくらい、
あちこちで見たり聴いたり、そして歌ったりしますね。

どんな曲なのか、解説していきたいと思います。

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●第九の世界観について

耳が聞こえなくなったベートーベンが、この曲にどんな思いを込めたのか、
歌詞が物語っています。

・「みんな!こういう音ではない!」
・「さあ歌おう、よろこびにみちた歌を!」


歌が入るのは第4楽章で、第1、第2、第3楽章の素晴らしい音楽を
こういう音ではない、違う!と否定しているのです。



ベートーベンはこれまでの作品でも、
考えて、考えて、悩みながら曲を作り上げてきました。

どの曲も簡単にできたものはありません。


なぜ否定するのでしょう。

ベートーベンはこの曲でも、
これまでの常識を破り、オーケストラに合唱を入れる
という壮大な大作にしました。



喜びをもっと感じて欲しいという想い

ベートーベンは他の曲でも、数々の常識を破ってきました。
今までとは違うもの!
もっと違う音楽!

単に人と違うことをしようとしたのではなく、ベートーベンの求める音楽が
もっと喜びを!
というこの歌詞だと解釈しています。


他の数々の画期的で常識破りな作品も、この歌詞のように、
この音ではないと、もっとよりいい音を求めてのこと。



今や、たくさんの人が第九を聴き、歌い、
まさに大衆化しています。

私も「1万人の第九」に参加させてもらった時の感動は忘れられません。

全世界を「歓喜の歌」が包むように、
よろこびに満ちる平和な世界をベートーベンは
願ったのではないでしょうか。


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●それぞれの章の特徴

第九は歌だけではなく交響曲で、
1時間以上の長い曲なんですね。


私が合唱団で、
「いつかは第九もやるだろうから、一度は聴いた方が良い」
と言われて初めて第九コンサートに行った時を思い出します。


第1楽章

最初は、音合わせのような
ふわっとした音から始まります。
と思ったら、一気にバーン!!
とはじけたような、よーいドン!!というように迫力満点の音楽に変わります。



第2楽章

第2楽章は、
速い曲です。

軽快なリズムでたまにティンパニがパリーンとなる爽快な曲で、
聴いていて、心も軽くなっていくような感じです。



第3楽章

そして、第3楽章は、
落ち着いた、静かな美しい景色が見えます。

心も体も癒されて行くような感じです。


聴いていると、3拍子のゆったりとした静かなメロディーが
眠気を誘います。
まるで、夢の中にいるかのようです。


気持ちよすぎて、本当に寝てしまう人も多いかも…

途中、ファンファーレのような音で、
おお!?
何かが始まるのか?と、目が覚めます。

まるで、新しい一日が始まろうとしているような…



第4章

そして、いよいよ、第4楽章。
いきなり、寝ている場合ではない!
この音ではない!
と問題提起を始めます。


何かを訴えるような、考えているような音楽…


1,2,3楽章の音楽を否定したあとに

オーケストラが、聴き覚えのあるメロディーを
だんだんと明るく演奏していきます。

これだ!!
と気持ちが切り替わったかのよう
に鳴り響きます。


そして歌が出てきます。
「こういう音ではない!」
と男性の低い声、

「さあ歌おう!!喜びに満ちた歌を!!」

ソリストと呼ばれる4人の歌が呼び掛けのように訴えます。


そして、オーケストラが場面を変えます。
行進しているのでしょうか?


クライマックスに向けて、音楽が聴いている人の心をグイグイと歓喜の方向へ
歓喜の歌へと導いて行きます。


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ラスト

そして頂点での
大合唱となります。

歌詞の意味がわからなくても大歓喜します。


それまでの1~3楽章からのテーマを展開させる、ベートーベン特有の特徴もあり、
それでいて、それまでの音に半音変えて、さらに明るい音にしています。


否定した楽章の音も全てが、第4章、歓喜の歌への計算つくされたストーリーだったのです。


そして、常識を破り、大合唱の歓喜の渦!


聴いている、私も
と感動と躍動感とでじっとしていられなくなる気持ちになります。


ベートーベンの叫びにも似た
「もっと喜びを歌おう!」
を私も、心から、歌えるように、いつまでも歌えるように、

世界の誰もが、このベートーベンの第九を聴いて、歌って、
平和で喜びを分かち合えるよう、祈りたい気持ちです。




●まとめ

今や、大衆化した「よろこびのうた」
耳が聞こえなくなってもベートーベンは、常識を破り、音楽への熱い思いが
「こんな音ではない!」と音楽を壮大な大合唱の
「歓喜の歌」へと導いていきます。


迫力の第1楽章、
リズムカルな第2楽章、
癒しの第3楽章もそれぞれに素晴らしく、
音楽の世界が広がります。

第4楽章ではまず、これらを否定から始まります。
そして、歓喜の歌へとグイグイ導かれ、大合唱!


みんなで、喜びの歌を歌おう!

これが、ベートーベンの求める音楽、世界なのだと感動に包まれます。


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